臨床心理士のうたたね日記

臨床心理士です。日々気ままに気がついたこと、関心のあることについて書いています。

満員電車で見かけた心温まる場面

数年前のことです。そのころ私は東京に勤務していたので、行きも帰りも満員電車でした。東京の満員電車って下手すると自分の足で立っていられなくなって、ほとんど周りからの圧力で浮いているような状態もよくあります。それでも人はどんどん乗ってきます。自分の安全を守るだけでせいっぱいで人のことまでなかなか気が回りません。その中でだんだんこつを覚えて帰りは何とか席に座ることができるようになった頃のことです。


読んでいた本から目を上げてふと右側を見ると、ベビーカーに赤ちゃんを乗せたおかあさんがいました。カジュアルな格好をされていましたから、会社通勤のためではなくどうしても出かけなければならない用があったのでしょう。


私が近眼ということもあるのですが、そのお母さんも帽子をかぶられていたから、表情はよく見えませんでしたが、うつむきかげんで申し訳なさそうにしておられました。


電車がとくに混んでいる時はベビーカーを乗せることに対して好意的でない周りの思いをママたちは感じていて申し訳なく思われることが多いんですね。なんでこんな混んでいるのにベビーカーなんか使うのか?という周りの視線を感じるのでしょうね。



でも、想像すればわかりますね。ベビーカーをたたんで抱っこしたら、そんなに身体がまだしっかりできていない赤ちゃんは危険です。周りから押されて危ない!それに赤ちゃんのための荷物は多い、重い!哺乳瓶などミルクセット、おむつ、着替え、ペットボトルなどなど、だからなんでも入るような大きなマザーズバッグという特別なバッグがあるわけです。


マザーズバッグをショルダーしながら、赤ちゃんを抱っこする。混んでない電車の中でも大変なことです。だから、みなさん、ベビーカーに赤ちゃんをのせたお母さんの大変さをわかりましょう。というわけで...


以上、終わりではないのです。


これからお話することに私はとても心を打たれました。そのベビーカーの近くに立っているサラリーマン風の男性が(アラフォー?)自分の前の席が空いても座らないのです。なんで?なんで?と失礼ですが人物ウオッチングが好きな私はじっと見てしまいました。


なんと手をつっぱって、身体をはって、ベビーカーを守っているではないですか!

もしかして、知り合い?パパ?


しかし、赤ちゃんのママもそのサラリ―マン風の男性が口を交わすことも顔を見合わせることもなく...家族ではありませんでした。


電車はすくことはありませんでしたが、その男性の近くの席は何度も空きました。でも、男性は座ることはありませんでした。

ごく普通の当たり前の顔をしながら、身体中に力を入れて手をつっぱって、乳母車と赤ちゃんを守っていました。


そして、乳母車の向こう側を見ると

20代ぐらいのやはりサラリーマン風のもう一人の男性がドア側にいて、乳母車に寄り添うように守るように力を入れて立っていました...

胸が暖かくなりました。男の人って素敵だなと思いました。人間っていいなと思いました。

3年たった今、その光景はまだ心に残っています。

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