臨床心理士のうたたね日記

臨床心理士です。日々気ままに気がついたこと、関心のあることについて書いています。

ほめられてもうれしくない子供たち

さやかはおかあさんが大好きだった。 小学校三年生の時、さやかが縁日に行くのにお母さんが、500円持たせてくれた。さやかは、縁日のお店を浴衣姿で回っている時にピンクのバラのブローチを見つけた。これ、おかあさんに似合いそうと買っていった。きっとおかあさんは喜んでくれると思った。

おかあさんは、「こんな安物買ってきて!」と怒った。それが、おかあさんが、ただの優しいお母さんでないことを感じた一番最初の時だった。



さやかが勉強ができはじめると、おかあさんが、先生にほめられてまんざらでもなさそうだった。 しかし、さやかが、100点をとれないと、おかあさんは、「私は100点しか好きじゃないのよ」といつも言った。

選ばれて小学校の送辞を読み上げた時も、「声が震えてたわね」と言われた。よくやったねと言われることはなかった。



大きくなって、さやかは、自分が人からほめられても少しも実感がわかないことに気がついた。ことばがすべて自分を素通りしていく。いつも自分のことを言われているとは感じられなかった。

さやかはおかあさんが、私をほめなかったとおかあさんに怒った。母親も考えたらしく、1度だけほめてくれた。さやかが作った料理を「おいしいね」。

一言にも関わらず、ふりしぼるような声だった。さやかは、そこで、母親の限界を知った。





さやかのような子たちは、自己評価が、自尊心が低い。自己評価を高くすること、自尊心がもてるようになることは、大事な課題だ。



ただ、母親から与えられなかったものを再度母親から求めようとするのではなく、信頼できる他者から求めた方がいい。その方が安全であり、苦しい戦いをしいられることはない。



(このケースは、私が想像の翼を広げて書いたものです)

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