臨床心理士のうたたね日記

臨床心理士です。日々気ままに気がついたこと、関心のあることについて書いています。

ひきこもりからの静かな脱出 ーサポステの利用

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NANAが引きこもってから、10年あまりたつだろうか?学校で特に何かがあったわけではない。何かよく理由もわからず行きたくなくなった。

家はNANAが幼い頃から居心地が悪かった、両親の喧嘩が絶えなかった。父親が仕事から帰ると始まるので、次第にNANAは、夜型生活がなったこともあって昼間寝るようになった。そうすると夜目が覚めて、両親の怒鳴り声を半分くらい聞かなくてすむのである。

夜は、おもにネットサーフィンで過ごした。面白い記事が好きだ。最近は犬や猫の動画にはまっている。漫画を描くのも決して上手くないが好きだ。。

でも、いくらでも寝ているわけにもいかず、起きると両親は相変わらずうるさい。

外に出たいと思うが怖くて緊張する。

でも、もうこんな家に長くいるのも苦しい。

NANAは、勇気を出して心療内科に行ってみた。安定剤を処方された。だが服薬してもそれほど変わらない。治らないのかとあきらめて、数か月また、ひきこもった。

でも、できれば家から出たい。

ある引きこもりの関係の機関をネットで調べて行ったらサポステを紹介された。

一対一のカウンセリングを十分にやってくれるという。男性の穏やかそうなカウウンセラーであった。あまり、しゃべれないNANAでもなぜか気楽でいられた。NANAの描いた漫画も見てくれた。そのカウンセラーはNANAの絵が上手か下手かということではなく、NANAのその漫画を描いたときの気持ちを見つめていてくれているようであった。そんなふうにしてNANAは2か月カウンセリングに通った。
ある時、カウンセラーが「もしかしたら、以前より、外の世界がはっきり見えないか?」「色が鮮やかに見えないか?歩くとき地面が心地よくないか?」と聞いた。確かにそうなのだ。
今までは、世界がフィルターがかかっているような感じだった。それがなくなった気がする。人も家もくっきり見える。歩くときも地面からエネルギーをもらえる気がする。ななは、思わず微笑んだ。うれしくなった。ずっと忘れていたこの感覚。NANAは、来週からサポステのプログラムに週一回だけれど参加してみようと思っている。

帰り道、NANAが好きな水色のワンピースがショウウインドウに飾られていた。まだ、時間はかかるだろうけれど、自分の好きな洋服をバイトして自分で買える日がくるかもしれないと思うとちょっとわくわくした。




サポステの説明はこちらにあります。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/ys-station/

厚生労働省引きこもり対策事業
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/hikikomori/


2015年の引きこもりの現状についてはこちらです。
http://www.garbagenews.net/archives/2092002.html


(このケースは私の想像の翼を広げて書いたものです。)

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