臨床心理士のうたたね日記

臨床心理士です。日々気ままに気がついたこと、関心のあることについて書いています。

FAP療法を取り入れて

相談者さんの訴えを聞いて、見立てをすることはカウンセリングではとても大切なことです。それがずれてしまうと治療の方向性が思わぬところに行ってしまって、治療効果に結びつきません。
相談者さんの訴えは時にご自分でもどこからどう話したらとよいかわからず、話が整理できず、混とんとしていることも多いです。
そんな時、FAP療法を取り入れて、「この相談者さんの訴えに必要な呪文やコードは何ですか?」と怒り発見器やFAP療法特有の「こころにきく」で調べてみます。そうすると、「完璧主義」が関連しているコードや「愛情欲求」が関連しているコードなどが出てきて、相談者さんの訴えからの見立てがとても立てやすくなります。

1ケースあげてみましょう。(もちろん、相談者さんの了解はとってあります。)
Kさんは、先輩との関係で長年苦しんできました。この一年近くは、吐き気や頭痛に悩まされ、仕事も続けるのが困難になってきました。先輩は人あたりもよく、上司の評判もよいのに Kさんはとても苦手で先輩と話すときはどんどん緊張するようになってきました。そこで、私は先輩に必要な呪文、コードを選んでみました。こころにきくと「支配」というキーワードが出てきました。
Kさんに「先輩との距離がだんだん近くなって、先輩がKさんを思い通りに動かそうとするので苦しくなってきたんだね。」と伝えるとKさんは「その通りです」と少しすっきりとしたわかってもらえたという表情で答えました。
それから、吐き気と頭痛に関係する呪文を調べると「怒り」というコードが共通して出てきました。そこでKさんの先輩に対する怒りを明らかにし、二人でその怒りに対して、どう対処しようか考えました。Kさんの発案で描画療法(クレヨン療法)の中にある新聞紙をビリビリに手で破いて燃やしたいというので紙を破ってもらって気持ちがすっきりしたところで、カウンセラーが「これは焼却場行きね」と伝えたところで終了しました。
結果、Kさんの頭痛、吐き気はおさまり、先輩に少し距離を置いて関わろうという考えも浮かび、仕事に対する自己効力感も取り戻せました。所要時間は、一回一時間でした。その後、2か月ぶり返すことはありませんでした。

このようにFAP療法の一部を取り入れて行うと、効率よく、面接を行えることがわかりました。

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