遊戯療法ってなあに?

コメントで「遊戯療法ってあったんだ~!」と言われ、あーそうだ。私たち臨床に携わっているものが当たり前に基礎として習ったことも一般の皆さんは知らないことが多いんだと気が付かされました。みなさんが知らないことをわかってないんだな~。
今日は遊戯療法の説明をしますね。
遊戯療法は主に、子どもに対して行う治療法です。
だいたい、3歳から12歳が対象です。病院やカウンセリングルーム、児童相談所や市区町村などの自治体の教育相談と呼ばれる相談施設など、子どもをカウンセリングする機関で行われます

大人なら言語によるカウンセリングができますが、子供の場合は、言葉が未発達のため、言葉によるカウンセリングでは効果があがりません。
各施設には「遊戯室プレイルーム」が設置され、子どもはそこで思う存分遊び、「遊び」を通して自分の心を表現します。治療者は遊びに加わり観察をすることで、子どもの心の状態を理解し、不安や悩み、心の病気を治療していきます。
人形やミニカー、積み木、乗り物、水鉄砲、オセロ、将棋、ボール、お絵かき道具など、子供が喜ぶおもちゃを使っていきます。

子供は遊びを通して、不安や様々な感情を表していきます。それを治療者は見守りながら、見立てながらその時その時の気持ちを理解して、ともに遊びます。よく、お母さん方は私がベテランのカウンセラーと話している間、子供は若い先生とバトミントンなどをして遊んでましたと言われることが多いのですが、ただ遊んでいるわけではないのです。治療者は子供さんに関わりながら、思う存分自己表現させ、この子はどういう傾向があるか見たて、どうしたら不安を乗り越えられるか、不適応がなおるか、ひとつひとつの言動を分析しつつ、丁寧に治療的に関わっているのです。
人形ひとつの遊び方で攻撃性がうまく発散できないんだなあとか、ゲームの仕方で自己評価が低いんだなあとか見立て、じゃあ治療者はこう関わってみようとなります。
遊ぶだけですから、他の心理療法のような圧迫感や恐怖感もないため、子供が取り組みやすく継続しやすいのもメリットです。
私のトラウマ療法もこれに似ています。言葉にできない思いを描画によって思う存分表現してもらい、治療していくというところです。