いじめ後遺症って何だろう?
一昨日のNHKのあさイチでもやっていましたね。
いじめの認知件数は、22万4,540件と過去最高(文科省調査・2015年度)。そんな中、子どもの頃にいじめを受けた人が大人になってもその後遺症に苦しむ“いじめ後遺症”の実態が、最近明らかになってきたそうです。
いじめ後遺症とは最近、当事者や精神科医の間で使われ始めた言葉です。
何十年も「摂食障害」に苦しむ女性や、いじめから20年後に突然思い出して「対人恐怖症」に陥った女性も紹介されていました。
年代も20代から50代まで。
イギリスの調査では、いじめ被害者が40年たってもうつ病のなりやすさや自殺傾向がいじめられていない人と比べてかなり高くなることが明らかになっているとのこと。いじめはその人の健康リスクや人生までも脅かすのですと言っていましたが
これ本当にそう思います。いじめはその人のその後の人生まで影響を及ぼし、健康まで脅かします。対人関係を困難にしたり、就労まで危うくします。
さらに、最新の研究では、いじめなどの幼い頃のストレスが、脳の形や機能に影響を及ぼす可能性も指摘されているとのこと。
“いじめ後遺症”の特徴
多くの人は自分を責める「自責の念」を強く感じます。
自分にいじめられる原因があったのではないかと思いこんでしまうためです。
何かあると自分が悪いのではないか、落ち度があったのではないかと常に思います。
何度そんなこと決してないよと伝えても自分を責めてしまいますね。
さらに「自責の念」があると「自尊感情」を低下させてしまいます。
自尊感情とは自分を大事に思う気持ちのことです。
だから、それを知っている人たちは特に家族は傷ついていて自分を大事にできないことに気がついてあげて大切にしてあげてほしいです。
でもね、親に言えずに黙っている人たちもたくさんいることも確かです。今はカウンセリングの敷居が以前より低くなってきました。
どうぞ、公的機関の案内や日本臨床心理士会の臨床心理士に出会うにはなど参考にされて、カウンセリングを受けてみてください。
虐待が脳へ与える影響を研究する福井大学 子どものこころの発達研究センター教授 友田明美さんはいじめは脳の形を変えてしまう可能性があると指摘しています。
しかし、脳の形の変化は元にもどらないわけではありません。大人になってからも機能や形が回復する可能性があることも言っていました。
“いじめ後遺症”から脱出できるために精神科医 長尾圭造さんが実際に治療として行っている「いじめ模擬裁判」を紹介されていました。
これは裁判の形をとってイジメのことを認識しなおすことで回復へと導く方法です。
自分が悪くなかったんだと認知を変えることができる方法で有効かもしれない。
私はできれば、EMDRなどのトラウマケアがやはりいいと思うな。私のところでも回復している人たくさんいますよ。
トラウマ治療の最前線 NHKクローズアップ現代
ネットでのいじめもまわりを見渡すと2年前よりひどくなったのではないかと思います。
リアルの学校場面でもいじめ、ネット社会でもいじめ。それが広がる社会になってほしくないですね。
私がいくつか関わった家族との関係が良好であったケースについて触れています。
白髪
July 15, 2015 (Wed) 07:04
小学生の なっちゃんは、この二年間、やんちゃな子達の心ないいじめにずっと悩んできた。 ひとりぼっちになるのが辛くていつも自分がどう変わったら、皆に好かれるか、友達ができるか一生懸命考えてきた。
でも、家では荒れていて、お母さんに当たり散らしていた。お母さんはなっちゃんが、クラスで言われる嫌なことを毎日聴くように努力し、なっちゃんの気が晴れたら、一緒に外で遊んだ。家でのなっちゃんは、次第に落ち着いていった。
そして、担任の物凄い努力により、いじめもおさまってきた。 最近のなっちゃんは、クラスに何人か友達ができて今クラスは楽しいと嬉しそうに言う。
ふざけて、抱きついてきたなっちゃんの頭に白髪が、四、五本ぴょんと飛び出ているのをを見つけ、 思わず、涙がこぼれそうになった。
(このブログで相談者に触れる際は、何人かの相談者自身、また、相談者の保護者から了解を得ています。)