臨床心理士のうたたね日記

臨床心理士です。日々気ままに気がついたこと、関心のあることについて書いています。

B君が生きること 2


こちらの相談室に来るときのB君はいつも精神的に崖っぷちにいた。彼の切羽詰まった話し方、睡眠がきちんととれないこと、おびえ、焦り、不安が強いこと、今の職場は、B君にとって新しい職場で、仕事を覚えるのは大変であったが、特に職場にも大きな問題はないことから、過去に他にトラウマがあったのでは、ないかと思われた。

やはり、B君は、高校の時、卒業まで一年あまりに渡っていじめを受けていた。時に暴行もあった。

今でこそ、殆んどの公立中学校に教育委員会から、スクールカウンセラーが派遣されるようになり、今度はより早期からということで小学校にも派遣され始めたことで救われる子供たちや親は多いと思う。しかし、高校はスクールカウンセラーは殆んど置いていないというのが、現状である。今の時代、高校生は精神的には、まだまだ子供であることが多い。
高校にもスクールカウンセラーを置くのが当たり前の時代がきてほしい。

ハラスメント、いじめに会った人は、恐怖、おびえももちろん強いが、自分が悪いと思い、自分の価値を見失ってしまっていることが多い。罪悪感も強い。そして、彼らは非常に我慢強い。その今の子どもにあまりない長所があだとなるのである。

一般の人から見れば、相手が明らかに悪いと思うことでも、被害に遭った人たちは不幸にも自分が悪いと自信を失っているのである。親にさえ、言えないことが多い。だからこそ、被害者を守るための力強い専門家が必要なのである。被害者がこの専門家なら(それは先生でもいい)、話しても大丈夫という安心感を与えられることが必須なのである。

彼らが過去のいじめ、ハラスメントを話した時、「話せば良かったのに」これは一般の方がよく言う言葉である。「よく話してくれたね。」「よく頑張って生きてきたね。」と彼らに伝えることが大切である。彼らは真実、苦しみの中を生き抜いてきたのであるから。

セクハラに遭った人は、再度のセクハラを避けるために故意に容姿を醜いものにしたり、わざわざ体型もわからないほど太ったりする人もいるという。
苛めやハラスメントに遭った人は自分のどこが悪いのだろうかと、苛めの人たちが発した言葉を手がかりに自分を変えようとするので容姿のことを繰返しからかわれたりした子は整形したいと思ったり、自分の性格を変えようとする。あるいは、どこでも息を潜めているような目立たない存在に自分自身をしたり、密な人間関係は作らないようにするのである。中学校から、青年期は友達がいても当たり前の時期であるにも関わらず、また、被害に遭わないために孤立を無意識か、意識的か、選ぶのである。

ひきこもりの方からは、直接話を聞いたことはないが、苛めに遭った方も多いのではないだろうか?

B君はいじめの中でも受験勉強をし、彼は、努力して、大学に入学できた。彼の基本的な自我の強さがあったためであろう。

しかし、彼もやはり大学でも友達を作ろうとしなかった。(続く)

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