臨床心理士のうたたね日記

臨床心理士です。日々気ままに気がついたこと、関心のあることについて書いています。

吃音症を理解するために-「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」

アマゾンのKindle Unlimited対象の本です。


この間までテレビでやっていた月9の「ラブソング」の中で主演福山雅治は臨床心理士を演じていました。その仕事をする中で出会ったのが吃音症の女性を演じる藤原さくらです。その吃音の演技に対して、吃音持ちの表現がオーバーすぎるのではないかなど色々評価がありましたが、それが本当かどうかはこのコミックを読むとわかります。

臨床心理士は吃音にタッチすることはありません。言語障害などを治療する言語聴覚士 (ST) が基本的には治療を行います。ドラマ「ラブソング」の中でもそうでした。私自身も面接場面ではお会いしたことがありません。

でも、このコミックを読んですごく理解できます。なぜなら、作者の押見修造さん自身が吃音持ちだからです。この作品はその体験をもとに描かれています。

そして、レビューを読まれるとわかると思いますが、吃音持ちの方々が多く感想を書かれていて、このコミックにリアリティはかなりありそうです。吃音持ちの方たちの苦しみや悲しみ、葛藤を上手に描けていると、個人的には感じるというレビューも目立ちます。
吃音症の理解の入り口にはちょうど良い本。一般の方がわかるにはすごくわかりやすくて、共感できる本。

また、このマンガでは女子高生が吃音で苦しみ、周囲とぶつかりながら、そして、助けられながら、思春期という複雑な時期を成長していきます。

なんでもコンプレックスに感じがちな思春期、コンプレックスがあるために緊張してしまう、それでまた悪循環を起こしてしまう、そんな思春期をどう駆け抜けていくかということは特に吃音ということでなくても、みんなに思い当たるものでないかな。

アマゾンのKindle Unlimitedのコミックがたいてい最初の1巻のみで、次は購入しなくちゃと思うところ、これは一巻で終わりです。
少しでも関心のある方には読んでいただきたい作品です。

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